永瀬医院

Nagase Clinic

昭和47年より50年近く地域に根付いた医院。鉄筋コンクリート造の医院は周囲の緑豊かな庭に向かって大きな開口が設けられ、水平に開いた構成をしている。時間を積み重ね、レトロな空気を纏う医院に可能な限り今の状態を残し、少しの手を加えて、時間を重ねようと考えた。

主には最も痛みの激しかった天井だけをやり替え、医院を囲う豊かな緑と開業時からあるイタリア産のステンドグラスに呼応する空間に生まれ変わらせた。天井ボードを落とし、使われなくなって久しい機器・配管をそのままに、既存の天井胴縁にタイベックシートでパックし、木胴縁材で押さえた。リズミカルに流れる木胴縁は視線を周囲の庭へと導き、内外の環境に連続性を与える。待合室は木胴縁材から木組を吊り、タイベックシートを照らし上げることによって、明るく、清潔感のある光天井とした。

通りから少し奥まったエントランスに浮かび上がる光天井は、長年子供からお年寄りまで、地域の健康を見守ってきた医院の営みに小さな光を灯し続ける。

設計 川西敦史建築設計事務所
施工 株式会社松本工務店
photo toru写真事務所

設計期間  2021.3~2021.5
施工期間  2022.1

所在地   愛知県名古屋市
工事種別  改修
改修エリア面積  58.6㎡