太陽、海、鉄、先端科学が織りなしてきた浦項の記憶を、幾重にも重なる地層として一つに束ね、地形と一体になった新しい風景をつくる。機能を東から西へ動的に分散させることで、松林と自然の地形を守りながら、既存の公園のネットワークにつなぎ、広げる。
展示空間は、丘に展示室を埋め込んでできる土の壁に包まれ、土地の記憶を刻む地層となる。来館者は、その壁に導かれて地上から地下の深くへと降り、再び光の中へ現れる、ひと続きの環を巡る。暗い展示室(過去)と、外の自然光(現在)が交互に織り込まれ、浦項の歴史と現在を、多層の地層として体験する。
重なり合う屋根の間につくられる空間は、海風と木漏れ日を受け、風景へと溶け込む。市民と来訪者、日常と非日常、過去と未来の境界をぼかしながら、自然の循環のなかで時間の広がりを深く味わう場所、浦項の新しい都市のアイデンティティとなる建築を目指した。